ゴールドマン・サックス等、国際金融資本のすさまじい暗躍。クアラルンプール中心部開発をめぐる首相スキャンダルを現場で振り返る。

クアラルンプールの中華街への道すがら。後ろにそびえるのが「ムルデカ・PNB118」

クアラルンプールの KL モノレールのマハラジャレラ(Maharajalela) 駅を降りて、中華街に向かいます。
道の途中に、建設中の幾何学的な巨大タワーが見えてきます。
2024年に竣工予定の「ムルデカ・PNB118」です。
ビルの高さは644m で地上118階、現在マレーシアで最も高い建造物である「ペトロナス・ツイン・タワー」(451.9メートル)を超えて、マレーシアでもっとも高いビルになります。
アジアでは平安国際金融中心(中国)に次いで2番目に高く、世界でも5番目の高さの建造物となる見込みです。
受託建設会社はサムスン物産(SAMSUNG C&T)と看板にあります。
ちなみにペトロナス・ツイン・タワーでは、片方を日本の建設会社、片方を韓国の建設会社が担当しました。

さてこの「ムルデカ・PNB118」の開発プロジェクトは、マハティールが返り咲く前のナジブ首相時代のものです。
詳細は省きますが、すぐ近くにはこのプロジェクトと連動して、政府の投資ファンド(1MDB=1マレーシア・デベロップメント・ブルハド)が開発した金融開発地域があります。
首都を金融センターにして外資を直接投資の形で呼び込もうという計画です。
ところが、これが世界の金融界を巻き込む大スキャンダルに発展しました。
ナジブ首相の個人口座に7億ドルが振り込まれたというすさまじい汚職です。
もちろん腐敗はナジブ首相だけではありません。

このスキャンダルは、国際金融資本がいかにきたないことをするのかを垣間見せてくれています。
1MDB は中東資本や中国資本、その代理人である世界屈指の国際金融資本が入り乱れて、国内の開発投資や世界の開発プロジェクトに投資を実行しました。
このファンドの中心には、ゴールドマン・サックスがいました。同社の東南アジア会長がプロジェクトの社債発行で幹事会社を務めました。
このプロジェクトでは、中国資本とモルガン、サウジ資本とバークレイズなどが暗躍しています。舞台にはナジブ首相の娘婿の友人の怪しい中国系シンガポール人などが登場して、国際捜査の対象となっています。
どうも最高権力者の周辺は、利権に群がる腐敗が起きやすいようですね。当たり前といえば当たり前ですが、バイデンしかり、菅首相しかり。

このスキャンダルのもう一つの主役はなんと TPP(環太平洋パートナーシップ協定)です。
協定による投資拡大が1MDB のスキャンダルを生み出す原動力になったからです。
ちなみに、アメリカは協定から離脱していますが、その背景はトランプの事情のようです。ロスチャイルド家は、トランプ大統領の選挙に資金を調達したといわれています。このロスチャイルド家に国際捜査が及び、スキャンダルを忌避した結果が TPP 離脱につながったのではないでしょうか?
いずれにしろ、ゴールドマン・サックスは東南アジア会長を辞めさせて関与を否定しました。
関与した社員と中国系の関係者がアメリカで提訴されました。
マレーシア政府と TPPの関係機関では、どうも情報の隠蔽が実行されたようです。

さて、わが日本は TPPのリーダーなどともてはやされているという報道があます。対中国という意味でそれをほこりに思っている人は多いと思います。
しかし、日本は単なるお飾りであるということが、このスキャンダルによって浮かび上がってきます。
その証拠に1MDB スキャンダルにわが日本の資本は名前が上がってきません。
開発関連性の高そうなプロジェクトとしては、クアラルンプール随一の繁華街 Bukit Bintang City Center(BBCC)での三井不動産の参画があるぐらいです。
ららぽーとのあの見慣れたロゴの建物が現在建設中です。
もうすぐ竣工ではないでしょうか。
とはいえ、 TPP参加国ではない中国がモルガンと組んで国内の電力網を抑えてしまったのとは対照的です。

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