竹中平蔵的政策が、結局は勝利?すでに欧米型のジョブ型競争社会に突入。菅首相の「自助」「共助」「公助」って竹中平蔵の振り付けかな?

コロナ禍の大企業の業績悪化はリーマンショックほどではないとするレポートが出た。
昨日大不況と書いたが、ある意味それほどでもないかなということと同時に、まさに雇用流動性がはっきり数字に表れたということでもある。
以下はそのレポートのURL。
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/macro/2020/kuma201203ET.pdf

レポートは、財務省の「法人企業統計」をもとにした分析だ。
結論を言うと、日本企業の急回復の背景について、

売上減に連動して、大企業を中心に人件費など固定費の削減が素早く行われていることがある。「固定費」と呼ばれてきた項目でも最近は、変動費的になってきているのが実情だ。

最近、リモートの普及に伴って、ジョブ型の働き方がよく話題になる。ジョブ型とは要は職務を特定して、それを遂行できる人を採用すること。業績目標と個人貢献を内容とするジョブディスクリプション(職務記述書)を企業と取り交わして、その遂行に応じた報酬を企業は使用人に支払う。
コロナ禍で、年齢給を完全に廃止したい企業の本音を後押しして、堂々と実力主義オンリーの業績連動給メインに一気に転換した結果だ。
手厚い戦後の労働法に阻まれてなかなか突破できなかった壁を、業績が一気に落ちたことでここぞとばかりに超えた結果がもう出たということである。
それがあらゆる産業で起きているのが、日本社会の雇用情勢である。
このレポートによると、コロナ禍はリーマンショックほどではないという予想を立てている。
業種によっては、販管費の多くを占める固定費を業績連動で上下させることができるので、固定費として考えていた人件費が、変動費と同様に使い勝手がよくなっているということだ。
欧米の企業は元々がジョブ型なので、利益創出の競争では販管費利が大きく生産性の低い日本企業はどうしても不利になっていた。


その意味では、産業によっては2021年は大きく業績を伸ばす分野も出てくるかもしれないというわけだ。
一般的なマスメディアの報道を見ると、コロナ禍の悲惨さとそれがもたらす経済損失の大きさばかりが目立つが、一部の産業を除いて、それほどでもないというのがこのレポートの趣旨である。
こうした楽観的なレポートは瞬く間に受け入れられ、経営層の自信としてコンセンサスを得ることになる。
販管費を自在にコントロールできるようになって、たとえ売上源であろうとも一定の利益を上げることのできるようになった産業と企業は、かつてない不景気に沈み込んでいる産業と人々をニュースから隠してしまうだろう。
こうした企業の立場から見た明るさが今後の経済予想に反映されてくる。

一方で、雇用される個人の立場は、手抜き息抜きはできない状態になる。経営層の力はより強くなり、労働組合や労働法のサンクチュアリは、形骸化するだろう。竹中平蔵的な改革は、いよいよ労働者のささやかな既得権益すら奪ってしまうことになる。
だから月7万円の生存権をベーシックインカムで付与しようというのである。竹中平蔵から薫陶を受けたホリエモンがずいぶん前からそれを喧伝していた。ホリエモンは、中高年層の正社員に反感を持つ若年層を焚き付ける役割を付与されているのだろう。
欧米の巨大資本や倫理観の欠如した中国資本などに、、もはや個人で対抗することは不可能に見える。
企業で雇われて生きていくには、とにかく専門性とコミュニケーション力を高め、抜きん出た業績を上げるしかない。抜きん出ないまでも、雇用維持には相応の努力をしなければ、馘首の可能性が現実味を帯びてきたということである。

それは仕事もないのに会社で悶々と過ごす人生よりはいいことだと私は思う。正社員というだけで強力に守られる労働法が壊れることで、本当に困っている非正規雇用の人たちを相対的に救うことになる。雇用の流動化が容易になれば、企業は人を雇いやすくなる。正社員にしても怖くないなら、非正規雇用は減っていく可能性がある。ジョブディスクリプションをベースとする雇用契約は、停滞している日本産業の復活を一部では可能とするかもしれない。
もちろんそれは劇薬なので、負の側面では、どうしても強欲な資本の副作用があるかもしれない。極端なブラック化があちこちで起きる可能性はある。
だがいま起きているのは、コロナ禍を契機とした巨大な社会変革である。
だから個人でできることは、最低でもネイティブとコミュニケーションできる英語力、会計や投資の知識、できれば自分の分野の法的な知識、などをできるだけ獲得するような自己投資である。
結局は、昨日書いたものと似通ってきたが、すぐに絶望しないで、それを耐え抜き生き抜く気概が、私も含めて必要な時代になっているということである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。