ホリエモンが始めたフランチャイズ(FC)「小麦の奴隷」は、オーナーを奴隷にするか?

2人の男が立っている。
暗い画面で、顔が判別つかない。
フランチャイズ募集の説明会の動画。
男はフランチャイズ本部の取締役だという。
そこにホリエモンが登壇する。
いつもの調子で語りだす。

フランチャイズといいながら、まだ1店しかない。
北海道の田舎町で人気となっているパン屋。
ここ数ヶ月、フランチャイズをいくつか検討してみた。
説明会に参加したフランチャイズはなかった。
労多くして儲からないことがわかったからだ。
フランチャイズビジネスは、ネットワークビジネスに似ている。
先にやったもの勝ち。
本部だけがリスクを取らずに儲かる。
詐欺に使われやすい。
あれだけのシステムを持つセブン-イレブンですら、裁判の渦中にある。
ほかは推して知るべし。
ブランドの陳腐化もある。
マンションの管理組合と同じで、オーナーは個別なので、管理に豪腕が必要となる。
本部のトップは、カリスマであることが望ましい。
ロイヤリティがなくて、加盟金が安いのもたくさんある(とはいえ数百万)。
だがそれは看板と道具をかわされて、何のサポートもなく生き馬の目を抜くような厳しい市場に放り出されることを意味する。

FCは、本部が輻輳的に儲かるシステムだ。
まず加盟金で粗利を確保してしまう。
ブランディングとマーケティングと原材料あるいはキット(サービス)の独占的供給で、粗利が積み上がる。
毎月のサポート料としてのロイヤリティ(上納金)で、また粗利が積み上がる。
FCオーナーから見ると、独立した事業主体のはずが、設備や店舗運営のリスクを負って、本部のために働く従業員のようになってしまう。
日々のキャッシュフローさえ本部に完全に掌握されてしまう。
もっとも、それができる本部は、相当レベルが高い。
ほとんどは開店したらあとはオーナーまかせとなる。
会社員をしながら、加盟金を払うぐらいなら、その金で不動産投資でもしたほうがいいのではというのが私の結論だ。
危険すぎる。

オーナーが自分で働かざるをえない事業はたいして儲からない。
法人となって、1店舗から数店舗を経営して初めて多少のうまみがでてくる。
あるいはメガフランチャイジーのように、複数のフランチャイズを同一敷地内で展開するというのもある。
これは地主でなければできない。
それでも建物などへの投資は巨額だ。
本部は収益のシュミレーションを持って来るが、それが実現することはほとんどない。
いやになっても巨額の違約金を含む契約に縛られ、借金に縛られ、売れない商品を毎日うんざりするほど食べなければならない。
アルバイトや従業員を雇って、オーナーは管理だけで十分儲かるというFCは存在しない。

さてわがホリエモンFCの動画には、さっそく懸念のコメントが書き込まれていた。
朝の3時起きで働かなければならないとか、パン屋は初期投資が高すぎるとか、もっともな指摘が並んでいる。
ホリエモンの立ち位置がよくわからないが、何より広告塔であり、出資の按分と株式の保有、役員待遇ぐらいはあるだろう。
意地悪な見方をすると、裁判ざたになったときには逃げられる態勢になっているはずである。
もちろん逆に大成功する可能性はある。
ど田舎で成立するおしゃれで美味なパン屋というのは目のつけどころがいいと思う。
なぜなら過疎地で成立するビジネスはどこでも展開可能だからだ。
成功したら似たようなFCはが出てくるだろう。
怖いのは大手資本が一気に対抗のチェーン展開をしかけてくることだ。

飲食のFCは提供商品の質を保つのが難しい。
焼き方や接客など、教育を徹底しなければならない。
原料は工場から供給するというが、おそらくファブレスだろう。
完成度の高いマニュアルを提供し、そこを逸脱せず、全国どこでも同じクオリティの店舗をつくり上げなければならない。
もっともそこまでのシステム設計で望むというよりは、蕎麦屋の暖簾分けに近い感覚だとは思う。
マーケティングを武器に突破しようということだろう。
ロケット事業の傍らすっかり飲食業にのめり込んでいるホリエモンのこれからの宣伝活動が見ものである。
私はやらないが(やれないが)。

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